「フランスがバナナ・リパブリックであることを示した」――。4月の仏大統領選第1回投票で、極右・国民戦線のルペン党首が旋風を起こして2位につけ、決選投票進出を決めたあと、英紙ガーディアンがこう皮肉った。「バナナ共和国」とは、クーデターの起こりやすい中南米型途上国のこと。 ルペン氏は、移民排斥、反ユダヤ主義、欧州統合反対を掲げ、アウシュビッツでのユダヤ人虐殺を「歴史上のささいな出来事」と公言するネオファシスト。ルペン氏の躍進は、フランスの歴史的閉塞感を示唆しているようだ。第2次世界大戦でナチス・ドイツにすぐ降伏したフランスを皮肉るジョークは、英国で語り継がれる。

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