ここ十年のあいだで、テレビゲームにハマって会社を都合一カ月は休んだ。テレビゲームといっても格闘ゲームやレーシングゲームではない。それではいくらなんでも子供じみているというものだ。ハマっているのはRPGというタイプのもの。ロール・プレイング・ゲームの略で、そのひとつである「ドラクエ」という言葉を記憶している方も多いだろう。プレーヤーが主人公を操り、神話やメルヘンの世界を冒険するというものだ。 ゲームを一回終わらせるのには五十時間から百時間。主人公が生まれた町を離れ、次々にモンスターを倒しながら強く成長し、最後にラスト・ボスという悪の権化を倒すのにかかる時間だ。文字通り一日中戦っていても全体の四分の一も進まない。そこで、最低三日間は会社を休むことになる。
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