新米の日本人 ラモス瑠偉『魂 HEART』

 ラモスには東京・神宮前のサバスTOKYOというブラジル料理店で会った。常連なんていう半端な客じゃない、ほとんど住み込んでいる感じだ。 日韓共催のワールドカップがもうじき始まる。日本代表チームの仕上がりの悪さが気になってしようがない。 余裕のあるのは中田英寿ほか数えるほどしかいない。後はポジションをこなすのに汲々としている。トルシエのフラット・スリー戦術では守りきれないのではないか……。 それから話は日本サッカー協会の旧態依然たる体質批判へと進む。「自分で変えて欲しいですよ。しかし、余り言えない。この二年間だけで二回ぐらい呼ばれているの」と笑った。協会も歯に衣着せぬ例のラモス語録にたまりかねたものと見える。

カテゴリ: カルチャー
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執筆者プロフィール
船橋洋一(ふなばしよういち) アジア・パシフィック・イニシアティブ理事長。1944年北京生まれ。東京大学教養学部卒。1968年、朝日新聞社入社。朝日新聞社北京特派員、ワシントン特派員、アメリカ総局長、コラムニストを経て、2007年から2010年12月まで朝日新聞社主筆。米ハーバード大学ニーメンフェロー(1975-76年)、米国際経済研究所客員研究員(1987年)、慶應義塾大学法学博士号取得(1992年)、米コロンビア大学ドナルド・キーン・フェロー(2003年)、米ブルッキングズ研究所特別招聘スカラー(2005-06年)。2013年まで国際危機グループ(ICG)執行理事を務め、現在は、英国際問題戦略研究所(IISS)Advisory Council、三極委員会(Trilateral Commission)のメンバーである。2011年9月に日本再建イニシアティブを設立し、2016年、世界の最も優れたアジア報道に対して与えられる米スタンフォード大アジア太平洋研究所(APARC)のショレンスタイン・ジャーナリズム賞を日本人として初めて受賞。近著に『フクシマ戦記 10年後の「カウントダウン・メルトダウン」』(文藝春秋)、『自由主義の危機: 国際秩序と日本』(共著/東洋経済新報社)、『地経学とは何か』(文春新書)、『カウントダウン・メルトダウン』(第44回大宅賞受賞作/文春文庫)など著書多数。
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