長野県の小川村。人口三千五百人のこの村にある株式会社「小川の庄」は、信州名物のおやきを年間七百万個生産し、全国の大手コンビニエンスストアにも販売している。年商は七億五千万円もある。 この村の人口はピーク時には九千三百人だったが、過疎化が進み、現在の高齢化率は四〇%。しかし、沈没しそうなこの村は、おやきのお蔭で蘇った。会社の採用条件は六十歳以上。野沢菜、あんこ、かぼちゃ、大根などをおやきにせっせと包み込む女性スタッフの元気な姿はNHKテレビでも放映されたから、記憶にとどめておられる方もいるはずだ。
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