独裁国家の終わりの始まり

執筆者: 2002年11月号

「意外だったのは金正日が快活で穏やかだったことだ。あまりの『死者』の数に憤然とするこちらの気分を和らげようと、笑わそうとしたり、ずいぶん、気を遣っていた」と小泉純一郎は初めて会った独裁者の印象を語る。 ところで、小泉が平壌で会った「金正日」なる人物は本物だったかどうか。日本政府が本物かどうかを検証したという話はとんと聞かない。性善説でしか外交をしたことがない外務省だから、相手がその気なら、簡単にだませる。 南北首脳会談が行なわれるまで肉声すら謎だった人物が、突如、極めて「人間的な」「国際情勢に通じた」指導者として国際舞台に躍り出てきたのはなぜか。

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