足踏みを余儀なくされる「南米共同体」

執筆者: 2003年1月号
カテゴリ:
エリア: 中南米

 欧州連合(EU)をモデルに、南米全域で一つの経済共同体を立ち上げようという野心的試みが、先送りされることになった。それぞれが経済混乱や政治対立など「お家の事情」を抱え、とても統合を進められる状況ではないというのが実情のようだ。 ブラジルが提唱する構想は、同国やアルゼンチンなどによるメルコスル(南米南部共同市場)を強化し、これにペルーなどアンデス共同体を引き込もうというもの。実現すれば、十カ国で総人口三億四千万人の一大経済ブロックが誕生することになる。 背景にあるのは、キューバを除く西半球の全三十四カ国が二〇〇五年の発足を目指す米州自由貿易地域(FTAA)構想だという。貿易自由化をリードする米国の「独り勝ち」を警戒するブラジルは、南米統合を先行させることでFTAA設立交渉での主導権確保を狙ったわけだ。

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