国産のH2Aロケットで今年三月頃から八月頃にかけて打ち上げられる予定の日本の情報収集(偵察)衛星は、三菱電機が受注を独占し、不祥事が響いて入札からも外れたNECの落日が鮮明となっている。 この衛星は一九九八年八月三十一日の北朝鮮によるテポドン発射をきっかけに導入が決まった。テポドン騒動がトップ記事となった翌日の新聞には防衛庁の調本(調達実施本部)疑惑事件も報じられ、数日後にはNECの関係者も関与したとして逮捕された。 NECはそれ以前から情報収集衛星の開発を積極的に進め、三菱より先んじていたとされるが、このスキャンダルで入札から締め出された。東芝との合弁会社「NEC東芝スペースシステム」社を作って巻き返しを図ったものの、四基の衛星本体は三菱電機の独占を許し、同システム社は「受信施設など関連の施設の受注にとどまった」(関係者)という。
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