ラムズフェルドの“古い戦争”

執筆者:名越健郎 2003年5月号
エリア: 北米

 米軍のイラク攻撃を指揮するドナルド・ラムズフェルド国防長官(70)は、周囲にオーラを発散する存在感のある人物である。若い頃、「共和党のケネディ」として将来を嘱望され、米史上最年少で国防長官に就き、今回が2度目のお勤め。歯に衣着せぬ発言で知られ、「仏独は古い欧州」発言はシラク仏大統領を激怒させたが、「欧州の現実を言い当てている」(仏紙ルモンド)との評価もある。 この発言を機に、米国では国連安保理決議に強硬に反対したフランスへの反感が高揚、「イラクに続く標的は、北朝鮮でなくフランス」という笑えない話も出ている。

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執筆者プロフィール
名越健郎(なごしけんろう) 1953年岡山県生まれ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長、編集局次長、仙台支社長を歴任。2011年、同社退社。拓殖大学海外事情研究所教授。国際教養大学特任教授を経て、2022年から拓殖大学特任教授。著書に、『秘密資金の戦後政党史』(新潮選書)、『ジョークで読む世界ウラ事情』(日経プレミアシリーズ)、『独裁者プーチン』(文春新書)など。
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