インテリジェンス・ナウ
北朝鮮の脅威を独自情報で確認できるか
ちょうど十年前の一九九三年六月十一日早朝、横浜市青葉区の田園都市線あざみ野駅。当時の官房副長官石原信雄がいつものように電車に乗ると、彼を取り囲むようにして、番記者たちもそそくさと車内に駆け込んだ。 車中で石原は自ら重大な事実を口にした。「北朝鮮が日本海でミサイルを発射した」。 それがノドン・ミサイル発射の第一報となり、その日の夕刊はこの「政府筋」発言を大きく報じた。 ちょうどカンボジアで日本人二人が犠牲になった直後のことで、日本国内では派遣自衛隊員の武器使用の是非をめぐって議論が起きていた。「日本海でミサイルが発射されているのに、小銃の使用をめぐる是非の論議など感覚がおかしいと思った」と石原氏は言う。
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