悩める青瓦台の主

執筆者:名越健郎 2003年12月号
エリア: アジア

 今年2月に就任したばかりの韓国の盧武鉉大統領が、側近の選挙資金不正疑惑や支持率低下、野党の攻勢強化で早くも内政危機に直面している。 野党・ハンナラ党の金秉浩広報委員長は「大統領はカエルだ。オタマジャクシの時代を忘れ、いつまでもしゃべり続け、時々哀しく鳴き、どこに跳ぶか分からない」と攻撃した。野党からは長年政権を離れている恨み節が聞こえるが、けんかを売られた大統領は12月に直接有権者の信を問うと述べ、異例の国民投票実施を提案した。 経済、外交で難題が山積みなのに、韓国は伝統的な内政動揺が予想される。

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執筆者プロフィール
名越健郎(なごしけんろう) 1953年岡山県生まれ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長、編集局次長、仙台支社長を歴任。2011年、同社退社。拓殖大学海外事情研究所教授。国際教養大学特任教授を経て、2022年から拓殖大学特任教授。著書に、『秘密資金の戦後政党史』(新潮選書)、『ジョークで読む世界ウラ事情』(日経プレミアシリーズ)、『独裁者プーチン』(文春新書)など。
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