自民党郵政族の動き、総務省と財務省の対立、そして肝心の首相自身のあいまいな態度。「郵政民営化」という言葉がひとり歩きする背後で、実質的な内容が骨抜きにされかねない兆候があちこちで見え始めた。「郵政事業を二〇〇七年四月から民営化するとの政府の基本方針を踏まえ、日本郵政公社の経営改革の状況を見つつ、国民的論議を行い、〇四年秋ごろまでに結論を得る」――。昨年十一月の衆院選に向けて小泉純一郎首相が掲げた政権公約。首相が「構造改革の本丸」と意気込む郵政改革は、この玉虫色の文言から想像される通りの展開を見せ始めている。

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