「国内へのこだわり」で瀬戸際に追い込まれた日本の電機業界

執筆者:新田賢吾 2012年3月27日
(c)時事
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 長らく日本の製造業を自動車産業とともに牽引してきた電機業界。1990年代以降、幾たびか危機に直面してきたが、今、パナソニック、ソニー、シャープの大手3社が巨額赤字に転落、まさに瀬戸際に追い込まれている。サムスン電子、LGエレクトロニクスの韓国2社と鴻海精密工業(ホンハイ)、友達光電(AUO)など台湾勢、さらに最近はTCLなど中国メーカーの攻勢に押され、主力商品の薄型テレビや携帯電話端末、デバイスなどでグローバル市場でのシェアを落としている。理由は明確だ。コスト競争力はもちろん、商品企画、ブランドなどのマーケティング力、市場の変化への対応力で優位性を失っているからだ。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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