グローバル・ビジネスの新地政学 (6)

アジアを覆う人手不足の波

執筆者:森山伸五 2011年3月8日
エリア: アジア
工場立地として再び注目されているタイ(トヨタの自動車工場)(c)AFP=時事
工場立地として再び注目されているタイ(トヨタの自動車工場)(c)AFP=時事

 タイの首都バンコクから東南方向に向け高速道路を走れば、スワンナプーム国際空港周辺に始まり、アマタ、シラチャといった工業団地やそれらの周辺など100キロ圏内に、日系、韓国系、ドイツ系など外資企業の工場が集中立地しているのを見ることができる。タイの最大の産業である自動車で言えば、トヨタ、日産、いすゞ、三菱自動車、米ゼネラル・モーターズ(GM)など完成車メーカー、様々な部品メーカーの工場群がこのエリアにある。昨年3月から5月にかけてバンコクの中心部で展開されたタクシン派(赤シャツ)と反タクシン派(黄シャツ)の流血の衝突の最中にも生産活動が揺るがなかった、まさにタイ経済を支える地域といってよい。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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