馬英九政権を見舞った金銭スキャンダル

執筆者:野嶋剛 2012年7月8日
タグ: 中国 台湾 日本

 台北に来ているが、久々の「台湾らしい」(失礼だが)金銭スキャンダルが暴露され、1月の選挙以来、パッとしたニュースがなかった台湾のメディアは野獣が獲物を捕食するがごとくに鋭く群がり、街はこの話題で持ちきりとなっている。

話題の中心は、台湾の与党国民党の有力政治家で、日本でいえば内閣の官房長官にあたる行政院秘書長を務める林益世。

国営企業で台湾最大の製鉄会社「中国鉄鋼(中鋼)」系列のくず鉄の処理受注をめぐり、立法委員時代の2年前に、業者から6300万台湾ドル(約1.5億円)の賄賂を受け取ったという事件だ。

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執筆者プロフィール
野嶋剛(のじまつよし) 1968年生れ。ジャーナリスト。上智大学新聞学科卒。大学在学中に香港中文大学に留学。92年朝日新聞社入社後、佐賀支局、中国・アモイ大学留学、西部社会部を経て、シンガポール支局長や台北支局長として中国や台湾、アジア関連の報道に携わる。2016年4月からフリーに。著書に『イラク戦争従軍記』(朝日新聞社)、『ふたつの故宮博物院』(新潮選書)、『謎の名画・清明上河図』(勉誠出版)、『銀輪の巨人ジャイアント』(東洋経済新報社)、『ラスト・バタリオン 蒋介石と日本軍人たち』(講談社)、『認識・TAIWAN・電影 映画で知る台湾』(明石書店)、『台湾とは何か』(ちくま新書)、『タイワニーズ 故郷喪失者の物語』(小学館)、『なぜ台湾は新型コロナウイルスを防げたのか』(扶桑社新書)など。訳書に『チャイニーズ・ライフ』(明石書店)。最新刊は『香港とは何か』(ちくま新書)。公式HPは https://nojimatsuyoshi.com
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