彼のOKなしには何事も始まらないと評される男。二期目のブッシュもその手中で踊る――。[オースティン発]再選が決まった翌日、ジョージ・W・ブッシュ大統領(五八)は、長年にわたる政治上の師、カール・ローブ(五四)に新たな愛称を捧げた――「設計者(The Architect)」だ。「創造主」の意も含むこの言葉は、勝利に酔った気まぐれから出たものではない。自らの目覚ましい躍進の裏には、その青写真を描いたローブの存在があったことを明確に示した感謝の言葉だった。 ローブの公式な肩書きは大統領上級顧問だが、実際の仕事内容はその枠に収まるものではない。十年以上前、テキサスの州知事選にブッシュを引っ張り出したのも、二〇〇〇年の大統領選挙、さらには二〇〇四年の再選選挙を勝ち抜く作戦を立てたのも、すべてローブだった。多くの有権者にとっては耳慣れぬ名だったが、ワシントン政界では手練れの戦略家として知られ、「ブッシュの頭脳」とも呼ばれている。
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