国際論壇レビュー

習近平の軍掌握、安倍の「第3の矢」に危うさ見る世界

 ハワイの米太平洋艦隊司令部。太平洋とインド洋に展開する5空母機動部隊、180の艦船、2000の航空機を統括する。これらの艦船・航空機に時々刻々と情報を提供する仕事を受け持つ艦隊参謀副長(情報担当)のファネル海軍大佐は単刀直入に断言した。「中国海軍は戦争をする気だ……外洋へ乗りだしているのは海戦の仕方を学ぶためだ」――。

 米外交誌フォーリン・ポリシー最新号は、衝撃的な書き出しで中国人民解放軍の現状を分析する論文を掲載した。筆者は豪紙シドニー・モーニング・ヘラルドの中国特派員ジョン・ガーノート。薄熙来事件についての著作を持ち、攻撃的な取材で知られる記者だ。中国国家主席・習近平は、どこまで人民解放軍を掌握できているのか――。世界が真相を知りたいと望むテーマに切り込んでいる。【Xi’s War Drums, Foreign Policy, May/June 2013

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執筆者プロフィール
会田弘継(あいだひろつぐ) 関西大学客員教授、ジャーナリスト。1951年生まれ。東京外語大英米語科卒。共同通信ジュネーブ支局長、ワシントン支局長、論説委員長などを務め、現在は共同通信客員論税委員、関西大学客員教授。近著に『世界の知性が語る「特別な日本』』 (新潮新書)『破綻するアメリカ』(岩波現代全書)、『トランプ現象とアメリカ保守思想』(左右社)、『増補改訂版 追跡・アメリカの思想家たち』(中公文庫)など。訳書にフランシス・フクヤマ著『政治の衰退』(講談社)など。
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