ODAの量的拡大は日本が目指す国連安保理常任理事国入りの“条件”となる。だが適切な増額どころか、内向きの削減が続くのが現状だ。 二〇〇一年にそれまで十年間維持してきた最大援助国の座を米国に明け渡した日本のODA(政府開発援助)――。二十一世紀とともに曲がり角を迎えたODAが、今年に入って再び「第二の曲がり角」とも言うべき大きな転機に差し掛かっている。 きっかけは、日本外交の長年の悲願である国連安全保障理事会の常任理事国入り問題だった。外務省幹部が「最初で最後の現実的なチャンス」と興奮気味に語るほど、ここにきて安保理枠の拡大を柱とする国連改革の気運は急速に盛り上がっており、日本は同じく常任理事国入りを目指すドイツ、インド、ブラジルとともに「G4」と呼ばれるグループを結成、活発な多数派工作を展開している。その日本にとって常任理事国入りの事実上の「条件」となっているのが、開発途上国向けのODAの増額・拡大なのだ。
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