韓国が国連事務総長ポストを狙う理由

執筆者:黒田勝弘 2006年5月号
エリア: アジア

選出の可能性は低いとされながら潘基文氏が出馬。そこに盧武鉉政権の思惑が見えてくる。[ソウル発]韓国の潘基文外交通商相(六一)が、国連の次期事務総長候補として出馬を公式表明した。 アナン現事務総長の任期が年末で切れるため、この秋には後任を選出しなければならない。国連事務総長は国連の顔といっていい。時には国際政治のスターになることもある。そんなポストに韓国が挑戦しているのだ。 韓国は近年、何かというと“韓流”といって意気軒高である。ナショナリズム、愛国主義は相変わらず目につく。テレビドラマやゴルフなどに続き、先の国際野球イベントWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)でも、韓国チームが活躍するとさっそく「世界の野球でも韓流!」などとはしゃいでいた。そのうち「国連も韓流!」といいかねない雰囲気だ。

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執筆者プロフィール
黒田勝弘(くろだかつひろ) 産経新聞ソウル駐在客員論説委員。1941年生れ。共同通信ソウル支局長、産経新聞ソウル支局長兼論説委員を経て現職。2005年度には日本記者クラブ賞、菊池寛賞を受賞。在韓30年。日本を代表するコリア・ウォッチャーで、韓国マスコミにも登場し意見を述べている。『“日本離れ”できない韓国』(文春新書)、『ソウル発 これが韓国主義』(阪急コミュニケーションズ)など著書多数。
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