原発という「足枷」で追いつめられる「東芝」「三菱重工」「日立」

 辣腕で知られるGEのイメルト会長 (C)AFP=時事
辣腕で知られるGEのイメルト会長 (C)AFP=時事

 世界を股に掛ける重電メーカーの巨人が覇権を目指して激突したM&A(合併・買収)合戦が、ひとまず決着した。世界首位の米ゼネラル・エレクトリック(GE、2013年度売上高約14.8兆円)が9位の仏アルストム(約2.7兆円)の買収に動き、2位の独シーメンス(約10.4兆円)がそれを阻止するために7位の三菱重工業(約3.3兆円)と組んで対抗プランを打ち出すという構図だったが、「雇用流出への懸念」を理由に反対の意向を示していた仏政府を懐柔したGEが結局競り勝った。世界で急伸する電力需要を背景にした重電市場での「ガリバー誕生」にライバルメーカーは警戒を強めるが、中でも日本の重電3社(東芝、三菱重工、日立製作所)が受けた衝撃は大きい。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
安西巧(あんざいたくみ) ジャーナリスト 1959年福岡県北九州市生まれ。1983年早稲田大学政治経済学部政治学科卒、日本経済新聞社入社。主に企業取材の第一線で記者活動。広島支局長、編集委員などを歴任し、2024年フリーに。フォーサイトでは「杜耕次」のペンネームでも執筆。著書に『経団連 落日の財界総本山』『広島はすごい』『マツダとカープ 松田ファミリーの100年史』(以上、新潮社)、『さらば国策産業 電力改革450日の迷走』『ソニー&松下 失われたDNA』『西武争奪 資産2兆円をめぐる攻防』『歴史に学ぶ プロ野球16球団拡大構想』(以上、日本経済新聞出版)など。
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