80時間世界一周 (24)

国連バブル経済が去って東ティモールの「ミニ内戦」

執筆者:竹田いさみ 2006年8月号
エリア: アジア

 日本から東ティモールの首都ディリまでたどり着くには、どうしても一泊二日の旅となる。国際線フライトの都合よい乗り継ぎ便がないためだ。インドネシアのメルパチ航空が、バリ島のデンパサール空港からディリまで、一日一便の定期便を午前十時台に飛ばしている。この便に乗るには前日夜までにバリ島に到着していなければならない。ホテルで一泊して、ディリまでのフライトは約二時間。眼下にはフロレス島や小スンダ列島のパノラマが広がる。 ようやくたどり着いても、「とにかく何にもない」というのが、ディリ市内の第一印象だ。農業、製造業、流通業、観光業、サービス産業――いずれも成立していない。

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執筆者プロフィール
竹田いさみ(たけだいさみ) 獨協大学外国語学部教授。1952年生れ。上智大学大学院国際関係論専攻修了。シドニー大学・ロンドン大学留学。Ph.D.(国際政治史)取得。著書に『移民・難民・援助の政治学』(勁草書房、アジア・太平洋賞受賞)、『物語 オーストラリアの歴史』(中公新書)、『国際テロネットワーク』(講談社現代新書)、『世界史をつくった海賊』(ちくま新書)、『世界を動かす海賊』(ちくま新書)など。
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