国軍兵士に選挙権を与えるか否かをめぐって、インドネシア国内で熱い議論が続いている。インドネシアではこれまで、兵士は政治的中立を保つべきだとの考え方から、長い間、選挙権も被選挙権も与えられていなかった。 ところが、二〇〇九年の総選挙で返り咲きを狙うメガワティ前大統領率いる野党、闘争民主党が「兵士にも選挙権を認めるべきだ」と口火を切り、これに与党ゴルカル党も同調、反対する市民団体との間で論戦に発展している。 同国軍は陸海空あわせて約三十万人の兵力をもつ。独立の父スカルノ大統領を実父にもつメガワティ党首が、兵士票をテコにして捲土重来を期するのは明らか。

「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン