三菱ウェルファーマが抱えるミドリ十字の十字架

執筆者:清水常貴 2006年11月号

C型肝炎訴訟の重荷がのしかかる。さらなる合併で体力を増すか、それとも企業イメージ回復のため「ミドリ十字」を切るか。悩みは深い。 近年、製薬業界では世界中で合併が相次いだが、三菱ウェルファーマほど、合併、社名変更が相次いだ会社も珍しい。なにしろ、一九九八年に旧吉富製薬と旧ミドリ十字が合併し、新生・吉富製薬が誕生すると、二年後の二〇〇〇年に社名をウェルファイドに変更。さらにその翌年には、東京田辺製薬と三菱化学の製薬部門が合併して誕生した三菱東京製薬と合併して、三菱ウェルファーマに変る。そのうえ、昨年十月には三菱化学と持株会社「三菱ケミカルホールディングス」を設立するという目まぐるしさだ。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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