インド航空業界「利益なき値引き競争」再燃も

執筆者:緒方麻也 2015年2月20日
タグ: 国連 インド
エリア: アジア

 格安航空(LCC)の雄・エアアジア(マレーシア)と組んだタタ・グループが昨年6月、61年ぶりに航空業界に復帰。さらに今年1月には同じタタとシンガポール航空(SIA)の合弁によるフルサービスの「ビスタラ」が就航するなど、暗い話題が多かったインドの航空業界に久しぶりに明るいニュースが相次いでいる。原油価格の急落で航空燃料も値下がりし、慢性的な赤字体質からの脱却にも期待が高まっている。

 しかし、各社とも積極的な航空機の増備が裏目となっている上、割高な着陸料や航空燃料にかかる税金などの問題は根本的には解決していない。ビスタラを迎え撃つエア・インディア、ジェット・エアウェイズのフルサービス2社は早速サービス強化に乗り出した。さらには年内にも格安航空6社の新規参入が見込まれ、業界が再びシビアな価格競争に突入する可能性も出てきた。

カテゴリ: 政治 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
緒方麻也(おがたまや) ジャーナリスト。4年間のインド駐在を含め、20年にわたってインド・パキスタンや南アジアの政治・経済の最前線を取材、分析している。「新興国において、経済成長こそがより多くの人を幸福にできる」というのが信条。
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