東京医科大学病院(東京都新宿区)で、平成14年10月から1年間に、立て続けに心臓弁膜症の手術を受けた患者4人が死亡するという事態が起きました。いずれの執刀医も同一人物であるという内部告発があり、メディアはこれを大々的に報道、それを受けて、手術の結果は医療ミスではないかと疑った3遺族が、死亡患者3人のカルテなどの保全を司法に求めました。
早速、同医大病院は外部の識者による第3者機関をつくり、一連の事件に関する調査を開始して、報告書を提出しました。報告書の内容は「執刀医の経験不足で、合併症が起き、死亡という結果にいたった」というものでした。術後合併症を併発するという不可抗力が原因で医療ミスとは言えないものの、外科医が籍を置く外科学教室の主任教授は、患者の死亡が続きながら、同一の外科医が執刀したことについて「トレーニングとして手術の経験を積ませようと思った」とも語りました。
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