病気を治すのは「いのちの力」 (18)

輸血拒否の「エホバの証人」に向かい合う

執筆者:髙本眞一 2015年3月28日

 1985年、エホバの証人を親に持つ子供が交通事故に遭い、輸血をしなかったために死亡したとの記事が新聞に載りました。それを読んで、私は憤慨しました。親は自分の意思で信者になったとしても、その子供が自らの意思で信者になっているとは限りません。さらに、洗礼を受けていなければ、正式には信者とは言えないのです。
 医師とすれば、輸血をすれば生かせた命を、輸血をしないがために死亡ということになれば、自分が殺してしまったような後悔にさいなまれるでしょう。私は、もし、親がエホバの証人であっても、自らの意思で輸血を拒否しない小児の手術を手がける機会があったならば、親に訴えられ、投獄される可能性があったとしても、絶対に輸血をして命を助けようと決意しています。

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