総理の全国行脚

執筆者:名越健郎 2007年5月号
エリア: アジア

 政権の命運を賭ける7月の参院選を控え、安倍政権に勢いがない。電撃的な訪中や北朝鮮核実験への果断な対応で「ロケットスタート」を切ったものの、造反議員の復党問題、政権要人のスキャンダル、閣僚失言、官邸機能の不備で支持率は急落。政権延命に黄信号が点滅しつつある。 当選5回、議員在職14年にすぎない戦後最年少の首相を軽く見る風潮もあるようだ。 首相自身は支持率低下にも気落ちした様子はなさそうだが、官邸としてはこのあたりで反転攻勢に転じたいところだろう。 安倍首相が支持率上昇を狙って一人で全国行脚し、農村部を訪れた。しかし、誰も首相に気付かなかった。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
名越健郎(なごしけんろう) 1953年岡山県生まれ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長、編集局次長、仙台支社長を歴任。2011年、同社退社。拓殖大学海外事情研究所教授。国際教養大学特任教授を経て、2022年から拓殖大学特任教授。著書に、『秘密資金の戦後政党史』(新潮選書)、『ジョークで読む世界ウラ事情』(日経プレミアシリーズ)、『独裁者プーチン』(文春新書)など。
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