夏休み最後の休日、九月三日のレーバーデーにブッシュ米大統領がイラク中西部アンバル州のアルアサド米軍基地を電撃訪問した。 前週、大統領はペンタゴンに国防総省首脳らを集め、新しいイラク戦略を承認した、と伝えられる。それまでは、マリキ首相らシーア派の多数派勢力によるイラク国内の治安掌握を黙認していたが、今後は少数派のスンニ派勢力を支援し治安強化の役割を負わせる、という戦略だ。 訪問先のアンバル州はまさにスンニ派穏健勢力の拠点。大統領は、彼らがアル・カエダ武装勢力を掃討し、治安を改善する成果を挙げた、とぶち上げるのが訪問の目的だった。

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