アメディ・クリバリの妻アヤト・ブメディエンヌは、謎の多い女性である。フランスのメディアに、彼女の出自を巡る記事は少ない。彼女はフランス生まれのフランス人だが、「ブメディエンヌ」はアルジェリアに見られる姓で、北アフリカから来た移民家庭の出身だと考えられる。アヤト(アラビア語ではハヤト)という名も、イスラム教徒に多いもので、移民系以外のフランス人にはあまり見られない。
連続テロ事件後に世界に出回った彼女の顔写真は、暗く、愛想のなさそうな表情をしている。地味な印象は拭えない。しかし、笑ったときの写真を見ると、愛嬌があってなかなかの美人である。週刊誌『パリマッチ』は、彼女とクリバリとが一緒に写った2010年初めの写真を掲載したが、民族衣装をまとったふくよかな彼女は、上品な笑顔を見せている。

「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン
