最近の『サザエさん』では、今でも編集者のノリスケさんが、作家の伊佐坂先生の自宅へ原稿を取りに通っているのだろうか。伊佐坂先生がメールで出版社に原稿を送るようになったら、ノリスケさんはお隣の磯野家に立ち寄る用事がなくなるので、物語の展開上は具合が悪いかもしれない。しかるに今でも原稿は万年筆で書き、ネットはおろかFAXも使わず、原稿が出来たら編集者に取りに来させるという大先生は、確実に絶滅危惧種への道をひた走っているはずである。
筆者は20代の頃、会社で最初に配属された広報室で、社内報や広報誌の編集担当をやっていた。ノリスケさんのような仕事ももちろんやった。思い出深いのは、イラストレーターの種村国夫さんのところへ通ったことである。ほら、週刊文春でちょっとエッチな絵を描いてるあの人のことですよ。
この続きは会員登録をすると読むことができます。
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン