今年の夏は、東京電力福島第1原発事故4年半の節目を前に、後に歴史の大きな転換点として刻まれるであろう出来事が立て続けに起きた。
第1は鹿児島・川内原発の再稼働。そして第2は東電元幹部3人に対する東京第5検察審査会による強制起訴議決である。
国と原発ムラによる演出
「8月11日は、あれだけの犠牲を出した大事故の月命日ではありませんか」
この日に川内原発を再稼働するのが決まったとの報せを受け、怒りに唇をふるわせて抗議したのは福島・浪江町の馬場有町長だった。国内すべての原発が停止してほぼ2年。全国民が注目する川内再稼働を、よりによって因縁のこの日に実行するのは一体どういう了見なのか、と馬場町長は言いたかったのだろう。
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