国連「事務総長選挙」に注目せよ(上)「密室」から「公開」へと脱皮
今年で2期10年の任期を終える潘基文国連事務総長の後任選びがだんだんと熱を帯びてきている。4月には国連史上初めてとなる、事務総長候補者による立会演説会が行われ、国連職員だけでなく、加盟国も次期事務総長となる人物の品定めに余念がない。国連事務総長は国連行政のトップであり、国連という組織の価値や役割を左右する重要な人物であり、同時に、国連財政に責任を負う立場でもある。そのため、国連職員からみれば、次期事務総長選挙は自分の組織のトップ人事というだけでなく、新事務総長の方針次第では自分のポストにも関わる問題である。
そのため、国連事務総長選挙は常に国連組織の中では重要な話題になるのだが、今回はかつてなく議論が盛り上がっている。というのも、密室の中で決められていた事務総長選挙が、今回は立候補段階からその情報が公開され、透明性が確保されているからである。これまでは噂話やゴシップであった事務総長選挙が、一気に政策論議や人物評価の議論に転化しており、大変興味深い状況となっている。
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