8月3日午前7時50分ごろ、北朝鮮南西部の黄海南道殷栗付近から2発の弾道ミサイルが発射された。1発目は発射直後に爆発したが、2発目は北朝鮮本土を横断して約1000キロを飛行。秋田県男鹿半島の西約250キロのわが国EEZ(排他的経済水域)内に「着弾」した。飛行距離からして、発射されたのは中距離弾道ミサイル「ノドン」とみられる。
北朝鮮ミサイルの初めてのEEZ「着弾」ということもあり、マスメディアはさまざまな形でこの事案を取り上げた。「ミサイルの精度がどんどん上がり、日本の近くに落ちていて怖い」「Jアラート(全国瞬時警報システム)が鳴らなかったのは政府の怠慢ではないか」といったもの、また北朝鮮が保有するさまざまな種類のミサイルを全て同じものとして扱う報道も散見された。これは全て軍事に関する知識不足からくるものであり、筆者は違和感を覚えた。
そこで改めて、北朝鮮のミサイルについての論点を整理しておきたい。
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