深層レポート 日本の政治
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前代未聞「予測不能の日米首脳会談」に臨む安倍首相の苦衷

昨年11月、トランプ氏(右)とニューヨークで会談した安倍首相[内閣広報室提供](C)時事
米国のオバマ前政権で国防長官を務めたパネッタ氏は日本の大手紙のインタビューに応じて、トランプ米大統領について次のように述べている。
「唯一予測できることは、トランプ政権が予測不可能であることだ」
安倍政権がトランプ氏に関してもっとも懸念しているのは、この予測不能という点だろう。TPP(環太平洋パートナーシップ協定)離脱やメキシコ国境の壁建設、中東・アフリカから米国への一時入国禁止、在外米軍の駐留経費負担問題……と、「予測」を超えたトランプ氏の発言や大統領令は物議を醸してきた。特に日本に直接関係があるのは、TPPなどの貿易問題と在外米軍のあり方を含む安全保障問題である。
このうち、安全保障問題については、マティス国防長官が来日した際に「日米の経費分担は他国のモデルになる」と述べ、日本の姿勢に高い評価を下したことで、日本側に安堵が広がった。残るは貿易問題である。

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