マネーの魔術史
マネーの魔術史 (2)

金貨の危険な輸送でネイサンが大活躍

執筆者:野口悠紀雄 2017年6月8日
エリア: ヨーロッパ
(c)AFP=時事

 

 1808年、ナポレオンが自分の兄をスペイン王にしたことに民衆が反発し、スペイン全土に反乱が起こった。反乱支援のためイギリス政府はサー・アーサー・ウェルズリー(後のウェリントン公爵)を指揮官とする部隊を派遣した。

 ナポレオンは自ら大軍を率いてスペインに侵攻し、イギリス軍を破った。しかし、反乱側はゲリラ戦に転じて頑強な抵抗を続けた。支援するイギリス軍も、イベリア半島に張り付いたままとなった。これがスペイン独立戦争だ。

 この間、イギリス政府は、戦地に向けて人員と物資を頻繁に輸送する必要に直面した。イベリア半島の土地は痩せているため、軍が食料を現地調達することが難しく、他所で購入する必要があったのである。

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執筆者プロフィール
野口悠紀雄 1940年東京生まれ。東京大学工学部卒業後、大蔵省入省。1972年エール大学Ph.D.(経済学博士号)取得。一橋大学教授、東京大学教授などを経て、現在、早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論。1992年に『バブルの経済学』(日本経済新聞社)で吉野作造賞。ミリオンセラーとなった『「超」整理法』(中公新書)ほか『戦後日本経済史』(新潮社)、『数字は武器になる』(同)、『ブロックチェーン革命』(日本経済新聞社)、『マネーの魔術史』(新潮選書)、『AI時代の「超」発想法』(PHPビジネス新書)など著書多数。公式ホームページ『野口悠紀雄Online』【http://www.noguchi.co.jp
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