
(C)AFP=時事
ナポレオン戦争後のイギリスで、通貨を巡って国をあげた論争が起きた。それは、「地金(じきん)論争」と呼ばれる。
地金主義者と呼ばれる人々は、物価高騰とポンド下落の原因は、金兌換が停止されてイングランド銀行券が過剰に発行されたことにあるとした。そして、銀行券の発行を減少させ、兌換を再開すべきだと主張した。この主張を最も熱心に行ったのが、経済学者のデイビッド・リカードだ(ただし当時は一介の評論家に過ぎなかった)。
これに対して、銀行券が商業手形の割引によって発行される限り、過剰発行は起こり得ないという考えがあった。これは反地金主義と呼ばれた。

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