イラン制裁専門家パネルから見た北朝鮮「国連捜査」の現場(2)

執筆者:鈴木一人 2018年4月20日
エリア: 中東 アジア
中国遼寧省丹東(手前)と対岸の北朝鮮の新義州を結ぶ友誼橋 (C)時事

 

 前回は、北朝鮮とイランの専門家パネルの内側の話を中心に論じたが、専門家パネルが抱える苦労は、パネルの中での合意形成や捜査/査察の問題だけではない。より面倒なのは加盟国とのやり取りである。今回は専門家パネルが国連加盟国とどう付き合っていくのかについて、古川勝久さん著『北朝鮮 核の資金源:「国連捜査」秘録』(新潮社、以下「本書」)で書かれたシーンを参照しながら、イラン制裁専門家パネルから見えた風景を紹介していこう。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
鈴木一人(すずきかずと) すずき・かずと 東京大学公共政策大学院教授 国際文化会館「地経学研究所(IOG)」所長。1970年生まれ。1995年立命館大学修士課程修了、2000年英国サセックス大学院博士課程修了。筑波大学助教授、北海道大学公共政策大学院教授を経て、2020年より現職。2013年12月から2015年7月まで国連安保理イラン制裁専門家パネルメンバーとして勤務。著書にPolicy Logics and Institutions of European Space Collaboration (Ashgate)、『宇宙開発と国際政治』(岩波書店、2012年サントリー学芸賞)、編・共著に『米中の経済安全保障戦略』『バイデンのアメリカ』『ウクライナ戦争と世界のゆくえ』『ウクライナ戦争と米中対立』など多数。
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