シリア南部でのイスラエル・イラン間の緊張はロシアの仲裁により緩和

執筆者:池内恵 2018年6月2日
エリア: 中東 ヨーロッパ

 イスラエルがシリアへのイランの軍事的拠点形成に脅威認識を高め、シリア領内への空爆の規模を拡大し、イスラエル・イラン間のより直接的な衝突への警戒感が高まっていたが、イスラエル北部に接するシリア南部からのイラン系部隊の撤退を、ロシアが仲裁して行うことで、当面の衝突が緩和されそうだ。シリア南部のダラア県とクネイトラ県からイランの軍事指導要員とヒズブッラーの勢力を撤退させ、シリア反体制勢力も武装解除させ、それをロシア軍警察が管理するという。シリア南部をめぐるイスラエルとイランの間の紛争の「兵力引き離し」を、ロシアをブローカーになって行うという形式のようだ。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
池内恵 東京大学先端科学技術研究センター、グローバルセキュリティ・宗教分野教授。1973年生れ。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程単位取得退学。日本貿易振興機構アジア経済研究所研究員、国際日本文化研究センター准教授を経て、2008年10月より東京大学先端科学技術研究センター准教授、2018年10月より現職。著書に『現代アラブの社会思想』(講談社現代新書、2002年大佛次郎論壇賞)、『イスラーム世界の論じ方』(中央公論新社、2009年サントリー学芸賞)、『イスラーム国の衝撃』(文春新書)、『【中東大混迷を解く】 サイクス=ピコ協定 百年の呪縛』 (新潮選書)、 本誌連載をまとめた『中東 危機の震源を読む』などがある。個人ブログ「中東・イスラーム学の風姿花伝」(http://ikeuchisatoshi.com/)。
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