【ブックハンティング】「愛しい死者」に慰められる「心の不思議」

執筆者:大井玄 2019年3月1日
人も車も家も街もすべてがのみ込まれてしまった(C)AFP=時事

 

 2004年12月クリスマスの翌朝、スマトラ沖の巨大地震により生じた津波がスリランカ南岸を襲う。海岸のホテル滞在中の経済学者ソナーリ・デラニヤガラは、一瞬にして夫のスティーブと2人の息子ヴィクとマッリ、そして両親をうしなった。

 本書『波』(ソナーリ・デラニヤガラ著 佐藤澄子訳、新潮社)は、その後8年間、彼女が回想というよりも、むしろ目の前に見、声を聴き続ける、亡き家族とのやり取りの日々を描いたものである。

フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
この記事をSNSにシェアする
執筆者プロフィール
大井玄 1935(昭和10)年生まれ。東京大学名誉教授。東大医学部卒業後、ハーバード大学公衆衛生大学院修了。東大医学部教授などを経て国立環境研究所所長を務めた。著書に『「痴呆老人」は何を見ているか』『人間の往生』『呆けたカントに「理性」はあるか』(以上、新潮新書)『病から詩がうまれる』(朝日選書)『老年という海をゆく』(みすず書房)など多数。現在も終末期医療全般に取り組む。
クローズアップ
comment:0
icon
  • 記事の閲覧、コメントの投稿には、会員登録が必要になります。
フォーサイトのお申し込み
クローズアップ
  • 24時間
  • 1週間
  • f
  • 最新コメント
  • 最新トピック
  • 新着
  • 高評価
  • コメント数順
back to top