「タクシン派VS.反タクシン派」に次世代リーダーが挑む「タイ総選挙」直前情勢

執筆者:樋泉克夫 2019年3月18日
「国民国家の力党」の集会にビデオメッセージを寄せたプラユット暫定首相(C)時事

 

 2月8日に国家維持党が同党首相候補としてウボンラット王女を推薦した一件は、どうやらタクシン・チナワット元首相のタイ政界に対する影響力を後退させてしまっただけではなく、総選挙後に成立するであろう新政権――大方が予想するプラユット・チャンオチャ政権であれ、他の政権であれ――の国政運営に少なからざる影響を与えることになるように思える。

 総選挙を経た後、当初想定されていたような形で政治日程が消化され、新政権がスンナリと発足することになるのか。不確定要素が、また1つ加わったと言っておきたい。

カテゴリ: 政治 社会
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執筆者プロフィール
樋泉克夫(ひいずみかつお) 愛知県立大学名誉教授。1947年生れ。香港中文大学新亜研究所、中央大学大学院博士課程を経て、外務省専門調査員として在タイ日本大使館勤務(83―85年、88―92年)。98年から愛知県立大学教授を務め、2011年から2017年4月まで愛知大学教授。『「死体」が語る中国文化』(新潮選書)のほか、華僑・華人論、京劇史に関する著書・論文多数。
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