【ブックハンティング】世間に知られたくない「真実」

『知ってはいけない薬のカラクリ』(谷本哲也著、小学館新書)

執筆者:久坂部羊 2019年5月15日
タグ: 日本
エリア: アジア
製薬業界と医師らが「隠したい」真実とは――(写真はイメージです)

 

 だれしも人には知られたくないことがある。当人にとって知られたくないことは、たいてい他人にすれば、ぜひ知りたいことである。

 本書『知ってはいけない薬のカラクリ』(谷本哲也著、小学館新書)に書かれているのは、製薬業界や医師(特に大学教授とか医学界で高名な医師)にとっては、できれば知られたくない事実ばかりだろう。

 製薬会社も医師も、必ずしも悪いことをしているわけではない。だが、情報が公開されると、誤解される恐れがあるので、できれば隠しておきたいというのが本音ではないか。しかし、頬被りを続けていると、いつまでも世間の疑念は晴れない。

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執筆者プロフィール
久坂部羊(くさかべよう) 1955年、大阪府生まれ。大阪大学医学部卒。外務省の医務官として9年間海外勤務の後、高齢者が対象の在宅訪問診療に従事。その一方で20代から同人誌「VIKING」に参加し、2003年『廃用身』で作家としてデビュー。以後、医療の現実を抉り出す衝撃作を次々に発表している。2014年『悪医』で第3回日本医療小説大賞を受賞。その他の著書に『破裂』『無痛』『第五番』『芥川症』『嗤う名医』『老乱』『院長選挙』などがある。
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