「盗票」が嘘と見抜かれた「イスタンブール市長再選挙」

執筆者:間寧 2019年7月8日
エリア: 中東
イマモール氏の勝利宣言に沸く支持者たち(C)時事
 

 6月23日にやり直されたイスタンブール市長選挙では、野党連合の「共和人民党(CHP)」候補エクレム・イマモールが54.2%の得票率で、与党連合の「公正発展党(AKP)」候補のビナリ・ユルドルム(45.0%)に9.2ポイント差をつけて当選した。与党の「自党の票が盗まれた」との主張を有権者がフェイク(嘘)と見抜いたからである。

 この結果は、有権者とレジェップ・タイイップ・エルドアン政権にとって何を意味し、今後にどのような影響を与えるのか。本稿ではイスタンブール市長選挙やり直しの経緯、選挙結果、選挙後の政界動向を概観し、4年以内に実施される大統領・国会選挙を展望する。

カテゴリ: 政治 社会
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執筆者プロフィール
間寧(はざまやすし) はざま・やすし JETROアジア経済研究所地域研究センター中東研究グループ長。博士(政治学)。最近の著書に『トルコ シリーズ・中東政治研究の最前線1』(編著、ミネルヴァ書房、2019年)、『後退する民主主義・強化される権威主義――最良の政治制度とは何か』(第四章「外圧の消滅と内圧への反発:トルコにおける民主主義の後退」、ミネルヴァ書房、2018年)、"Economic and corruption voting in a predominant party system: The case of Turkey,"(Acta Politica, 53(1), January 2018)
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