「月探査船」打ち上げに成功したインド「宇宙大国」への野望

執筆者:緒方麻也 2019年8月6日
エリア: アジア
月面への着陸は9月7日の予定(C)EPA=時事

 

 アポロ11号が人類を月面に送ってから50年――。中国や日本に先駆けて火星探査船を打ち上げるなど急ピッチで宇宙開発を推進するインドが7月22日、月面への着陸を目指す月探査船「チャンドラヤーン2号」の打ち上げに成功し、地球の周回軌道に乗せた。

 今後は数度にわたって徐々に高度を上げて月へと進路変更し、48日間、約38万4000kmを越えて9月7日に月面に到達する予定だ。

ローバー繰り出し月面探査を

「月への乗り物」を意味する「チャンドラヤーン」2号は、南部アンドラプラデシュ州・スリハリコタ島にある「サテイシュ・ダワン宇宙センター」から打ち上げた大型ロケット「GSLVマークⅢ」に搭載された。全高43.4メートルの3段式ロケットGSLVマークⅢは、高高度の静止軌道に最大4トンまでの人工衛星を打ち上げることが可能。「インド宇宙研究機関(ISRO)」が開発した最新鋭のロケットだ。

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執筆者プロフィール
緒方麻也(おがたまや) ジャーナリスト。4年間のインド駐在を含め、20年にわたってインド・パキスタンや南アジアの政治・経済の最前線を取材、分析している。「新興国において、経済成長こそがより多くの人を幸福にできる」というのが信条。
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