ベルリンの壁が崩壊してから30年目の11月9日、ドイツ各地で記念式典が催された。しかし、この日の式典や報道には、手放しの喜びや祝賀気分が感じられなかった。ドイツでは壁崩壊から30年経ったにもかかわらず、東西の市民の間でアイデンティティの亀裂が深まっているからだ。経済格差は縮まったが、真の統一は完遂されていない。
深い傷の醜悪な瘡蓋
フランク・ヴァルター・シュタインマイヤードイツ連邦大統領は、ベルリンのブランデンブルク門の前での記念式典で、
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