独「ロックダウン緩和」に「慎重」メルケル首相vs.「推進」各州首相

執筆者:熊谷徹 2020年5月13日
タグ: 新型コロナ
エリア: ヨーロッパ
ロックダウンの大幅緩和を打ち出した会見でも、メルケル首相は、「これからも警戒を怠ってはならない」「コントロールを失ってはならない」と繰り返していた (C)EPA=時事

 

 「我々ドイツ人は、新型コロナウイルスとの戦いの最初の段階を乗り切ることに成功した。感染者数の伸びを以前に比べて抑え、重症者数が医療機関の限界を超える事態を避けることができた。このため、我々は少し勇気を出して、前に進むことができる」

 アンゲラ・メルケル独首相は5月6日午後、16の州政府の首相たちとのビデオ会議の後、こう言って主要先進国の中で最初のロックダウンの大幅な緩和策を打ち出した。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
熊谷徹(くまがいとおる) 1959(昭和34)年東京都生まれ。ドイツ在住。早稲田大学政経学部卒業後、NHKに入局。ワシントン特派員を経て1990年、フリーに。以来ドイツから欧州の政治、経済、安全保障問題を中心に取材を行う。『イスラエルがすごい マネーを呼ぶイノベーション大国』(新潮新書)、『ドイツ人はなぜ年290万円でも生活が「豊か」なのか』(青春出版社)など著書多数。近著に『欧州分裂クライシス ポピュリズム革命はどこへ向かうか 』(NHK出版新書)、『パンデミックが露わにした「国のかたち」 欧州コロナ150日間の攻防』 (NHK出版新書)、『ドイツ人はなぜ、毎日出社しなくても世界一成果を出せるのか 』(SB新書)がある。
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