「金融制裁」でシリア「アサド政権」転覆狙う米「地経学パワー」の陥穽

執筆者:杉田弘毅 2020年7月2日
エリア: 中東 北米
伝家の宝刀「金融制裁」をシリアに突き付けてアサド(写真)政権交代を狙う米国だが (C)AFP=時事

 

 戦闘では勝利したものの、戦後で敗北か――。

 シリアのバッシャール・アサド大統領はそんな苦々しい思いを抱いているだろう。

 米国は6月17日、「シーザー・シリア市民保護法」(シーザー法)に基づき、アサド大統領夫妻ら39の個人・組織を金融制裁などの対象に指定した。米国はシリアからの撤収でロシアやイランに影響力を奪われた形となったが、伝家の宝刀である金融制裁を使い、内戦後のシリアの戦後復興に「待った」をかけている。

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執筆者プロフィール
杉田弘毅 共同通信社特別編集委員。1957年生まれ。一橋大学法学部を卒業後、共同通信社に入社。テヘラン支局長、ワシントン特派員、ワシントン支局長、編集委員室長、論説委員長などを経て現職。安倍ジャーナリスト・フェローシップ選考委員、東京-北京フォーラム実行委員、早稲田大学大学院アジア太平洋研究科講師なども務める。著書に『検証 非核の選択』(岩波書店)、『アメリカはなぜ変われるのか』(ちくま新書)、『入門 トランプ政権』(共同通信社)、『「ポスト・グローバル時代」の地政学』(新潮選書)、『アメリカの制裁外交』(岩波新書)など。
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