「首相人気」急上昇を恐れてクビを切ったマクロン大統領「賭け」の吉凶

執筆者:渡邊啓貴 2020年7月31日
エリア: ヨーロッパ
自身より人気が高まっていたフィリップ首相の存在が背後から迫り、恐れたのか(C)AFP=時事
 

 フランスでは6月末の市町村議会選挙の後、ジャン・カステックス新首相による新政権が7月6日に発足した。

 コロナ禍からの復興と景気浮揚・財政再建を喫緊の課題として、左派環境派の台頭を前に2年後の大統領選挙での再選を目指すマクロン政権は正念場を迎える。

苦衷の中の「公正」の模索

 7月14日のフランス革命記念日(カトーズ・ジュイエ)に、エマニュエル・マクロン大統領は異例のインタビュー形式によるテレビ演説を行った。1時間45分にわたる熱弁だったが、新型コロナウイルス危機の中でマクロン派の退潮をいかに反転させるか、大統領の苦衷がにじみ出ていた。

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執筆者プロフィール
渡邊啓貴 帝京大学法学部教授。東京外国語大学名誉教授。1954年生れ。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程・パリ第一大学大学院博士課程修了、パリ高等研究大学院・リヨン高等師範大学校・ボルドー政治学院客員教授、シグール研究センター(ジョージ・ワシントン大学)客員教授、外交専門誌『外交』・仏語誌『Cahiers du Japon』編集委員長、在仏日本大使館広報文化担当公使(2008-10)を経て現在に至る。著書に『ミッテラン時代のフランス』(芦書房)、『フランス現代史』(中公新書)、『ポスト帝国』(駿河台出版社)、『米欧同盟の協調と対立』『ヨーロッパ国際関係史』(ともに有斐閣)『シャルル・ドゴ-ル』(慶應義塾大学出版会)『フランス文化外交戦略に学ぶ』(大修館書店)『現代フランス 「栄光の時代」の終焉 欧州への活路』(岩波書店)など。最新刊に『アメリカとヨーロッパ-揺れる同盟の80年』(中公新書)がある。
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