「コロナ」より「不安」ドイツ人にとって「最悪のシナリオ」はトランプ再選

執筆者:熊谷徹 2020年10月15日
カテゴリ: 政治
エリア: ヨーロッパ
2017年にトランプ氏が大統領に就任して以来、ドイツの世論は一貫して彼の政策に批判的だった
(C)AFP=時事

 

 米国の次期大統領を決める選挙戦は、終盤戦に入った。こうした中、ドイツ社会ではトランプ再選について不安感が強まっている。

 10月5日、月曜日。新型コロナウイルスに感染し陸軍病院で治療を受けたドナルド・トランプ米大統領は、入院してからわずか3日後にホワイトハウスに戻った。

 彼はテラスの上に立ち、カメラの放列の前で顔を覆っていたマスクを剥ぎ取って見せた。この大仰な仕草により、「新型コロナウイルスなど恐れるに足らない。私はウイルスを克服し、選挙戦に復帰する」というメッセージを全国の有権者に送ったのだ。大統領はツイートの中で、

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執筆者プロフィール
熊谷徹(くまがいとおる) 1959(昭和34)年東京都生まれ。ドイツ在住。早稲田大学政経学部卒業後、NHKに入局。ワシントン特派員を経て1990年、フリーに。以来ドイツから欧州の政治、経済、安全保障問題を中心に取材を行う。『イスラエルがすごい マネーを呼ぶイノベーション大国』(新潮新書)、『ドイツ人はなぜ年290万円でも生活が「豊か」なのか』(青春出版社)など著書多数。近著に『欧州分裂クライシス ポピュリズム革命はどこへ向かうか 』(NHK出版新書)、『パンデミックが露わにした「国のかたち」 欧州コロナ150日間の攻防』 (NHK出版新書)、『ドイツ人はなぜ、毎日出社しなくても世界一成果を出せるのか 』(SB新書)がある。
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