バイデン政権初の軍事行動「シリア空爆」があぶり出す「イラン核合意」再起動への困難な道

ロウハニ大統領(写真)の後継を選ぶイラン大統領選は今年6月。もし保守強硬派が勝てば「核合意」の先行きはさらに不透明に[イラン大統領府提供](C)AFP=時事

 

 2月25日、ジョー・バイデン米大統領は、就任して初めての軍事行動を指示し、シリア東部のイラクとの国境近くに存在する親イランのシーア派民兵組織「カタイブ・ヒズボラ」および「カタイブ・サイード・アル・シュハダ」の軍事拠点を空爆した。

 この攻撃は、イラクのクルド人自治区の中心地であるエルビルに駐在する米軍に対する、2月15日に行われたミサイル攻撃の報復とみられている。

カテゴリ: 政治 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
鈴木一人(すずきかずと) すずき・かずと 東京大学公共政策大学院教授 国際文化会館「地経学研究所(IOG)」所長。1970年生まれ。1995年立命館大学修士課程修了、2000年英国サセックス大学院博士課程修了。筑波大学助教授、北海道大学公共政策大学院教授を経て、2020年より現職。2013年12月から2015年7月まで国連安保理イラン制裁専門家パネルメンバーとして勤務。著書にPolicy Logics and Institutions of European Space Collaboration (Ashgate)、『宇宙開発と国際政治』(岩波書店、2012年サントリー学芸賞)、編・共著に『米中の経済安全保障戦略』『バイデンのアメリカ』『ウクライナ戦争と世界のゆくえ』『ウクライナ戦争と米中対立』など多数。
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