バイデン政権「政策見直し完了」で始まった果てなき「米朝長期戦」

執筆者:平井久志 2021年5月9日
エリア: アジア 北米
バイデン大統領初の施政方針演説で、北朝鮮に触れた部分はわずかだったが (C)AFP=時事
4月30日に明らかになった米の対北朝鮮政策見直し完了と、それを待っていたかのように同時に発表された北朝鮮の3つの談話。これらが米朝“再接近”の入り口となるのか、それとも先の見えない“長期戦”の端緒となるのか――。

 

 米国のジェン・サキ大統領報道官は4月30日、バイデン政権発足以来続けてきた対北朝鮮政策の見直し作業を完了した、と明らかにした。

 一方北朝鮮は、これを待っていたように5月2日に3つの談話を発表した。談話はバイデン政権と文在寅(ムン・ジェイン)政権を非難し、米朝対話、南北対話に応じず、逆に新たな挑発に向かう可能性を示唆した。しかし、北朝鮮はバイデン政権の北朝鮮政策見直しそのものについてはまだ沈黙している。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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