引き裂かれた時を越えて――「二・二六事件」に殉じた兄よ

【特別連載】引き裂かれた時を越えてーー「二・二六事件」に殉じた兄よ(15)蹶起すれど兵はおらず

執筆者:寺島英弥 2021年5月23日
タグ: 日本
エリア: アジア
ありし日の対馬勝雄中尉(波多江さん提供)

   1936(昭和11)年が明けた。「昭和維新」を叫ぶ青年将校らは相澤三郎中佐事件の公判闘争、天皇機関説問題をめぐって活動を激化させていた。不穏な状況は、深く関わる青森出身の対馬勝雄陸軍中尉のいる豊橋教導学校をも巻き込み、勝雄に否応のない行動を迫った。そして運命の2月26日が訪れる。

新教育総監への反発

「謹賀新年 年頭所感 大君に仇なす仇はますらをが 国の内外を問はずうちなむ 大君の仇をうたずに迎えたる 年の初めぞ 心苦しき」

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執筆者プロフィール
寺島英弥 ローカルジャーナリスト、尚絅学院大客員教授。1957年福島県相馬市生れ。早稲田大学法学部卒。『河北新報』で「こころの伏流水 北の祈り」(新聞協会賞)、「オリザの環」(同)などの連載に携わり、東日本大震災、福島第1原発事故を取材。フルブライト奨学生として米デューク大に留学。主著に『シビック・ジャーナリズムの挑戦 コミュニティとつながる米国の地方紙』(日本評論社)、『海よ里よ、いつの日に還る』(明石書店)『東日本大震災 何も終わらない福島の5年 飯舘・南相馬から』『福島第1原発事故7年 避難指示解除後を生きる』(同)。3.11以降、被災地で「人間」の記録を綴ったブログ「余震の中で新聞を作る」を書き続けた。ホームページ「人と人をつなぐラボ」http://terashimahideya.com/
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